ビットコインと金の両方が警告を発している！ホンハオ：「今のタイミングで参入するのは、スピードを出して事故を起こすのと同じ」

知名経済学者洪灝は、『洪灝戦略』の最新番組で、金（ゴールド）が数週間で急騰し、バブルの消化が不十分なまま崩壊のリスクがあると直言しました。彼は現在の金は買い時ではなく、10％の下落だけではバブルの全てを消化したとは言えないと指摘しています。ビットコインについては、すでに約4年周期のピークに近づいており、新高値があっても115,000ドルから125,000ドルを大きく超えることはなく、来年の第3四半期の半減期後に再度投資を検討すべきだと提言しています。

金は数週間で1000ドルのバブル未消化の状態

（出典：Trading View）

洪灝は金の動きについて警鐘を鳴らしています。「金は数週間で1000ドル上昇しましたが、以前は数年かけて1000ドル上昇したのに、急激に数週間で同じ上昇を見せるのはあり得ません」と問いかけ、最近の金の上昇ペースの持続性に疑問を投げかけています。

彼はこの暴騰のリスクを次のような比喩で説明しています。「これは崩壊（クラッシュ）しないわけがない。まるで高速で車を運転しているようなもので、スピードを出しすぎれば必ず事故（クラッシュ）を起こす。これは疑いようのないことです。」この比喩は、金融市場のリスクを日常の経験に結びつけ、投資家に危険性を理解させるものです。

技術的な形態として、洪灝はこの動きを「拋物線的上昇（parabolic advance）」と定義しています。これは、バブルの最終段階に見られる最も危険なパターンの一つで、価格がファンダメンタルズから乖離し加速し、最終的に暴落して終わるものです。過去の資産バブル、例えば2000年のITバブルや2008年の住宅バブルもこの形態を示していました。

「今の金については、まだ買い時ではないと考えています。いつ買い戻すかを議論するのは、価格がバブルを終えたと信じていることになり、これは不可能です」と洪灝は明言します。彼の見解は、バブルの消化が十分でないため、「たった10％の下落では不十分で、理想的には3分の1程度下落し、その後反発して再び3分の1下落するのが理想的だ」と述べています。

この見解は、過去のバブル崩壊のパターンから導き出されたもので、典型的には一度の大きな下落ではなく、何度も反発と下落を繰り返す階段状の下落過程を経て、最終的にバブル参加者の利益や幻想が洗い落とされると考えています。

「もしバブルの崩壊と考えるなら、金の価格は2000ドル以下になるはずです」と洪灝は具体的な価格目標も示しています。これは、現状の価格から少なくとも20％以上の下落余地があることを意味し、投資家にとって重要な判断材料となります。これは、金の動きが上昇トレンドの中の健全な調整なのか、それともバブル崩壊の始まりなのかを見極めるポイントです。洪灝は、現時点では明確な判断は難しいとしつつも、慎重に待つ姿勢を示しています。

ビットコインは4年周期のピークに近づき、来年Q3が投資の好機

（出典：Trading View）

洪灝はビットコインについて、その独特な4年ごとの半減期サイクルに基づく分析を展開しています。「ビットコインはすでに4年周期のピークに近づいているため、新高値があったとしても、現在の約115,000ドルを大きく超えることはないだろう」と述べ、過去の高値は約125,000ドルだったと振り返っています。彼は、「今年はこれで終わり」と締めくくっています。

ビットコインの4年周期は、そのコードに組み込まれた半減期メカニズムに由来します。約4年ごとに新規発行量が半減し、供給速度が遅くなる仕組みです。過去のデータから、半減期後の12〜18ヶ月以内にビットコイン価格は強気相場のピークを迎える傾向があります。最後の半減期は2024年4月に起きており、この規則に従えば、2025年後半から2026年前半がこのサイクルのピークと予測されます。

洪灝は、「ビットコインのサイクルは、一般的に第1年は下落し、その後2年は上昇する」とまとめています。もし2025年がピークの年なら、2026年は調整局面に入り、価格は大きく下落する可能性が高いです。この周期は過去3回の歴史的パターンとほぼ一致しており、非常に正確に再現しています。

ビットコイン4年周期モデル

第0年（供給減少期）：供給減少による期待高まりと底打ち

第1年（上昇期）：ブルマーケットの始まり、価格加速

第2年（ピーク）：サイクルの高値に達し、その後調整

第3年（調整期）：熊市の底、価格大幅下落と横ばい

「だから、私は待つつもりです。具体的には来年の第3四半期末まで待つつもりです」と洪灝は明確な時間枠を示しています。2026年9月頃がその時期であり、2024年4月の半減期から約28ヶ月経過した時点です。このタイミングは、価格ではなく時間のサイクルに基づいています。

「ビットコインは確かに大きく調整されるでしょうが、半減後は買いの好機となる。ただし、その具体的なタイミングは誰にもわからない。ポイントは価格ではなく周期の位置です」と洪灝は強調します。資産の周期性においては、時間の方が価格よりも重要だと述べ、たとえ価格が安く見えても、周期の誤った段階にいる場合はさらなる下落もあり得ると警告しています。

「今すぐ突っ込むのは危険です。流動性が高く、多くの人が中央銀行の緩和を期待していますが、ビットコインの供給メカニズムはコードに書き込まれており、マクロ環境に左右されません」とも述べています。

忍耐が最も重要、追いかける投資は避けるべき

洪灝はインタビューの中で、「忍耐力こそ最も重要な資質」と繰り返し強調しています。「良い投資家の最も重要な特徴は、勤勉さだけでなく、寂しさに耐えることだ」と述べ、成功する投資の核心を示しました。金融市場では、多くの場合、何もしないことが最良の戦略であり、チャンスが訪れたときにだけ果断に行動すべきだと指摘しています。

「もちろん利益を得ることは良いことですが、欲張りすぎず、多くの良い投資機会があることを忘れないでください」と洪灝は忠告します。市場は常に新たなチャンスを提供しており、冷静さと十分な資金を持ち、より確実なタイミングを待つことが重要です。

金とビットコインという現在最も注目されている資産について、洪灝のアドバイスは「待つ」ことに集約されます。このアドバイスは短期的な利益を追求する投資家にはもどかしく映るかもしれませんが、長期的なリスク調整後のリターンを考えれば、高値で買うことを避ける方が賢明です。バフェットの言葉を借りれば、「投資の第一ルールは損をしないこと、第二ルールは第一ルールを忘れないこと」です。